雀魂をするようになって、日本の麻雀で使われる用語が日常に自然に溶け込んでいることに気づき、とても面白いと思ったのでまとめてみます。
国語辞典を引いて掲載があれば意味を参考にしていますが、基本的に私自身の言葉でまとめています(なのであまりアテにしないでね)。
頻繁に使われる言葉
生活や娯楽に溶け込んでいて、麻雀を全く知らない人でもついつい使うであろう言葉。
- リーチ
「リーチをかける」「ビンゴまで残り1マスになった人はリーチと言いましょう」など。
物事が完成手前になったり、ゲームで勝つ一歩手前の状態など。または、それを宣言する際の掛け声。
英単語"reach"とは意味も語源も無関係。 - テンパる
神経質になって焦ったり緊張する様子や、本人にとってなにか良いことや面白いことがあって動揺する様子など。「私は人前に出るといつもテンパってしまう」など。
もとは、麻雀でテンパイした人が動揺する様子から由来しているとか。
テンパるの原型の「テンパイ」を麻雀を打たない人が使っているところは見たことがない。 - メンツ(面子)
元は中国語で、「メンツが立たない」など面目という意味もあるが、「メンツがそろう」「うちのメンツは頼りがいがある」など人に対して使うメンツは麻雀に由来していると思われる。 - アンパイ(安牌)
安全牌(手牌から場に捨てても、他のプレイヤーにアガられるおそれのない牌)に由来。転じて、選択肢がいくつかあるうちの無難な方策などを指すことが多い。「プログラムの書き方に迷ったら、後で自分が読んで困らない書き方にしておくのが安牌だろう」など。 - 連チャン(連荘)
主にゲームにおいて、プレイヤーに有利な状態が続くこと。また、物事において、ある状態が継続したり、何らかのチャンスが連続して訪れること。
麻雀を打たない人は「連続チャンス」の略語と認識しているのではないだろうか。
時々見かける言葉
頻出とは言い難いもののよく世俗に根付いていると思われる言葉から、麻雀を多少知っている人なら使うだろうという言葉をピックアップ。
- 半チャンセット(中華料理店などで)
私の知る限りでは、中華麺料理とチャーハンをセットにしたメニュー名に限って使われる傾向がある。由来は紛れもなく「半荘」から。麻雀を知らない人のなかには「半チャーハンセットを略して語呂を良くしたもの」と思う人もいるかもしれない。 - 役満、数え役満
程度が甚だしく尋常ではない形質や物事がいくつも揃っていること。悪い意味を強調するために用いられることも多い。
「部下の遅刻が今月5回目だ。彼は昨日早退しているし、先月は12件も発注ミスをしている。役満を通り越して呆れるばかりだよ。」 - チョンボ
失敗を意味する言葉。 - リャンメン(両面)
「りょうめん」を中国語風に読んだだけ。リャンメンテープ、など。麻雀が好きな人が、時におどけて使うのを見かける。
麻雀由来かは怪しい言葉
麻雀をしていると必ず使うが、由来が不明な言葉。
- あがり
麻雀のあがりは「和了」と書いて中国語では「ホーラ」と発音するものの、日本では訓読みをあてて「あがり」と読むことが多い。
トランプやすごろくなど、主に3人以上がプレイするゲームにおいて、あるプレイヤーがゲームを終了し、ゲームを終えていないほかのプレイヤーが終了するのを待つだけの状態に移行することを「あがり」「あがる」などという。
広辞苑第六版「あがり【上がり・揚り】」では「すごろくで駒が最終の場所に進むこと、トランプなどで勝負がつくこと」と紹介されているので、もともとすごろくで使っていた言葉を麻雀に取り入れたのだろうか? - 親・子
3人以上で遊ぶゲームにおいて、親と子に分かれる場合がある。親はたいてい、そのゲームを中心として進めたり、札や駒などを最初に打ち始めたりする。由来は調べてもわからなかった。
日本の麻雀では、親があがったときは子の1.5倍多くの点数を獲得できるので、親と子の違いには大きな意味がある。ゲームによっては、親と子の関係はほとんど対等であることもある(単に、進行役として必要なので親がいる場合など)。血縁上の親子とは関係がなく、むろん上下関係とも関係がなく、各プレイヤーが輪番で親になるゲームもあれば、じゃんけんで決めたり、慣れている人が親を務めるなどゲームの性質によってさまざま。
余談だが、人狼やTRPGなどでは進行役を親ではなくゲームマスター(GM)と呼ぶなど、界隈によっては親・子の呼び分けがめったに使われない例も見かける。
(親のいるゲームでは、親自身もプレイヤーとしてゲームを遊戯するけれど、GMのいるゲームではGM自身はゲームを遊戯できずプレイヤーの世話役に徹する、という違いがあるのかな?)