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PDドライブの修理(Panasonic LF-1005J)

研究室で見つけた、PanasonicのPDドライブを修理しました。型番はLF-1005Jで、SCSI接続の内蔵型5インチドライブです。今では貴重なPDドライブ、実用品としては役目を終えているでしょうが、骨董品としては価値があるように思います。

ベルトが切れてトレイが開閉できなくなっています。ベルトを使った機器にはよくある故障で、他の部品に溶着していなければ簡単に修理できます*1。早速分解してみます。

上蓋とフロントパネルを外すとこのような構造になっています。ピックアップと、シーク用のステッピングモーターから伸びるフレキケーブルが接続され、さらにトレイの開閉を検知するマイクロスイッチを搭載したフレキシブル基板が鉄板の上に載っています。フレキシブル基板からはケーブルが左右に伸び、最下層のメイン基板へと繋がっています。
鉄板には、トレイの開閉状態を拾うための白いアームが載っていますが、トレイを取り付けるときにアームの位置を間違えるとトレイが開閉できなくなるので要注意。(上の写真はまちがいで、トレイを閉めた状態で下の写真の通りになるのが正解です)

トレイの開閉を検出するアームの位置に注意-この写真の通りに取り付ける

中蓋を外した図。トレイとピックアップがあらわに

中蓋を外すとトレイとピックアップが現れます。この状態でディスクを入れて、正常に読み込みができることを一応確認しておきます。

トレイを外すと、トレイ開閉用の駆動機構が丸見えになります。ゴムベルトは直径25mmで0.95mm角のものを選びました。縫いもの用の糸などをプーリーに巻き付けると寸法を大まかに調べられます*2
ベルトを交換したあとは逆の手順で組み立てるだけです。簡単ですね。

本機に限らずどんな製品でもそうですが、初めて分解する時が一番苦労しました。構造を理解せずに闇雲に分解すると破壊して原状復帰が困難になることがあります。古い製品では分解時に無理な力を掛けて樹脂パーツが割れたり、緩まないネジを無理に緩めようとしてナメてしまうことがあります。
本機の場合、基本的にはフロントパネルをまず外して、あとは上から外していけば大丈夫でした。左右のフレキケーブルはマイナスドライバーでこじって外しましたが、正しい外し方かわからず不安です。

というわけで、修理に成功し、トレイを開閉してディスクを読み込んでいる様子の動画ツイートを載せておきます。

肝心のPDディスクですが、研究室に残存している気配はなく、個人的に入手する予定もありません。CD-ROMドライブとしては使えそうなので、暇なときに動作確認してみようかなぁ。

*1:加水分解したベルトが皮膚につくとどんなに洗っても落ちないので、素手で触らずにピンセットやラジオペンチなどで取り除くのがコツです

*2:紺のミシン糸が手元にあったので使ってみましたが、紺色だとマジックで印をつけられないので白い糸がおすすめです