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国際式の天気記号についてのはなし

地上天気図の書き方には、理科でも習う日本式の記号と、国際的に使われている国際式の記号があります。それぞれ、観測地点における天気や風向、風速を表すほか、広域的な気圧配置や前線の存在も表したりします。独自の天気記号をもつ日本でも、気象庁アジア太平洋域実況天気図などにおいて国際式の天気記号が使われています。

この、国際式の天気記号についてですが、Webで軽く調べた限りではどの機関が何をどれだけ定義しているのか、国際標準がちゃんと定まっているのか、よくわかりませんでした。

たとえば気象庁国際式の天気記号と記入形式としてまとめているものには、日本語版Wikipedia「地上天気図」には載っていない、自動観測所用の天気記号なるものが掲載されているし、Googleで「weather station model symbols」なんて検索してみても、代表的な記号だけを抜き出して説明しているサイトが多く、天気記号の全貌を掴むことが難しかったです。

世界気象機関(WMO)が統一基準を定めているらしいので、WMOのサイトを1時間ほどかけて漁ってみたところ、それらしいドキュメントを見つけました。これかー。PDFのAttachment IVに図記号などが載ってます。

Basic Documents No. 2 Manual on Codes, Volume I.1 – International Codes Annex II to the WMO Technical Regulations Part A – Alphanumeric Codes

このドキュメントは、気象観測をしたり、その情報を交換するためのコード(電文;気象通報式と呼ばれる)について定めたものです。気象通報式で表された観測地点の気象を図示する方法として、"Graphical Representation of Data, Analyses and Forecasts" がAttachment IV中で定められており、日本においてはこれを国際式の天気記号と呼んでいるようです。

目的に応じて、非常に多くの情報を表現可能ですが、すべての情報を図示するのは煩雑なので、任意の情報を省略可能となっています。また、国や地域ごとによって表現方法や単位をアレンジしていることがあります。たとえばアメリカ合衆国では、温度に華氏を使ったり距離にマイルを使う例が頻繁に見られます。ただ、一応はWMOが定めるコード表に従った描き方が世界標準なのかな。

天気図の描き方に国際的な統一基準があるのはいいことで、たとえば我々が韓国気象庁の実況天気図を見たとしても、国際天気図の見方を知っていれば難なく理解可能です。