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日常の記録から技術メモまで

カセットデッキを修理する!【TEAC W-800R】

TEAC W-800R。2016〜2017年ごろに、地元のハードオフのジャンクコーナーから拾ってきたカセットデッキです。修理して動かしてみようと思っていましたが、当時高校生だった私には手も足も出ず、押入れにしまい込んでいました。

2023年の夏に一念発起して修理し、無事に動作させることに成功しました。今も元気に動いていて、綺麗な音を奏でてくれています。

この記事では、当時行った修理の様子をまとめます。

タンスの上で飾りと化していた頃のW-800R

注意

この記事は趣味で行ったDIYの記録であり、内容の正確性は一切保証できません。

まずは分解

このデッキは、ベルトが経年劣化で完全に溶けきっており、電源を入れてもリールやキャプスタンが回りません。ベルトを掛け直すには、メカを取り外すのが良い方法です。

まずは天板を外します。天板を外したW-800Rの全体図を以下の写真に示します。
手前にフロントパネルがあり、左右にカセットデッキのメカが実装されています。左がデッキ1、右がデッキ2です。フロントパネル中央にはコントロール基板が水平に実装されています。
筐体の底板には、左から電源トランス、デッキ1の録音基板、メイン基板の順で実装されています。デッキ1の録音基板が独立しているのは、デッキ1が再生専用である姉妹モデル「W-700R」との兼ね合い。

 

メカはフロントパネルに4本のネジで止まっており、2本のケーブルで基板と繋がっています。メカを取り出す前にケーブルを抜きます。黒いフラットケーブルは、コントロール基板のソケットに噛み合いを外すボタンがあり、上から強く押しながらケーブルを抜くと外れます。

取り外したメカはこんな感じ。

デッキ2については、マイク入力端子の基板がメカの下にくっついているため、取り外しにはさらに苦労します。マイク入力基板とメイン基板が繋がるコネクターを細いマイナスドライバーでこじって篏合を外し、デッキ2をマイク入力基板ごと外しました。脱着しにくいコネクターが使われているので、破損しないようにとても気を遣いました。

溶けたベルトの清掃

上の写真は、キャプスタンを駆動するドリブンプーリー(奥側)を写したものです。本来は平ベルトがプーリーに掛かります。左側のプーリーを見ると、ベルトが掛かるべき場所になにやら黒い汚れが。ベルトが加水分解した残骸です。加水分解したベルトを指で触ると、とてもベタベタして取れず、極めて不快です😨
写真中央の白いギアの上にも黒い紐のようなものが見えます。これは、右側のプーリーと中央のプーリーを繋ぐベルトが加水分解したものです。

上の写真は、メカを駆動するモーターのドライブプーリーです。プーリーにベルトのカスがべっとり付着しています。これは大雑把に清掃した後の写真で、分解直後はプーリーにベルトのカスが巻き付いて太く成長していました。

プーリーの清掃はうんざりする作業です。机やら手やら、あちこちに黒いカスが付着してべとつき、イライラします。部品にも一度溶けたカスが再び固着していたりするので、特にドライブプーリーの清掃は難しかったです。

アルコール(無水エタノールIPAなど)でベルトのカスを効果的に落とせるようです。手元にあった除菌用のアルコールスプレーで代用しましたが、汚れ落ちが悪いので、ちゃんとしたものを買うほうがよさそう。

ベルトを掛ける

ベルトとプーリーの位置関係を以下の図にまとめました。図のようにベルトを張ります。
このタイプのオートリバースデッキでは、モーターが回転しているときは常に左右のキャプスタンがそれぞれ逆方向に回ります。左右のうちいずれか片方のピンチローラーがせり上がってキャプスタンに押し付けられることで、テープが送られる方向が決まります。平ベルトをこのように掛けることで、左右のキャプスタンが同じ速度で逆方向に回転するのです。

 

今回のデッキでは、平ベルトは直径60mm、厚さ0.5mm、幅5mmのものを、角ベルトは直径45mm、1.2mm角のものを使用しました。ベルトを掛けながらメカを組み立てるのが難しく、1時間ほど格闘しました。

ベルトのサイズはネットで調べましたが、サイズが分からないときはタコ糸などを使って採寸し、実寸よりも一回り小さなベルトを取り付けるという方法があるようです。

いざ再生

ベルトを掛け直したW-800Rで、実家のカセットテープを色々聞いてみました。

音程は狂っていたので、音楽が綺麗に録音されているテープを選んで、音感を頼りに合わせました。

デッキ1はほぼ無調整で録音も再生もできました。テープ速度を調整したほかは、アジマスもレベルもバイアスも、なにも触っていません。高音まで綺麗に録音再生できます。

デッキ2は高音がこもって聞こえてしまい、出力レベルもデッキ1より明らかに低かったです。アジマスを弄り、レベルを弄り、しまいには録音バイアスも弄ってしまい、何をどれだけ弄ったのかまるでさっぱりな状態にしてしまいましたが、デッキ1と遜色ない音が出るようになった・・・気がします。

きちんと調整するならば、校正の絶対的な基準となるテストテープが必要なうえ、オシロスコープやファンクションジェネレータなどの計測機材も欠かせません。本当はちゃんとした専門業者に出して調整してもらいたいところですが、お金もないので見送っています。

所感

カセットデッキを修理したのは初めてなので修理にはとても苦労しましたが、結論としてはプーリーの清掃とベルトの交換のみで快調に動きました。徹底的なオーバーホールをしないと正常動作しない事例も珍しくないらしく、今回の修理は簡単に済ませられたといえそう。

W-800Rを修理して1年以上経ちます。自室には置き場所もなく、相も変わらず普段は押入れにしまい込んでしまっていますが、時々思い出してはデスクに設置して、カセットテープの音を楽しんでいます。

音質にはとても満足しています。ハイポジションテープを使って、昔録音された音楽を聴いたり、現代の音楽を本機で録音再生したりしてみました。耳を澄まして聞けばデジタル音源とカセットテープの音の違いがわかりますが、普通に聞いている限りでは音質には何ら違和感がなく、音源に対して忠実に再生できているなという感じです。

使い勝手も良好です。曲のスキップもできますし、レベルメーターを見ながら録音レベルも微調整できるので、録音用としても再生用としてもほどよく実用的に使えるデッキだと思います。
それまでミニコンポやラジカセしか使ってこなかったので、テープカウンターが付いているのもすごくありがたかったです(当たり前の機能かもしれませんが)。お気に入りの曲を集めたテープを1本録音してみましたが、曲同士の間隔を微調整したりするのにテープカウンターはとても助かってます。

総評ですが、修理してとても満足しています。大事に長く使いたいです。

さらにその後

冒頭の写真にある、実家のミニコンポ(Panasonic SC-PM27MD)のカセットデッキが壊れています。懲りずに修理を試みています。

開けてびっくり!カチカチのピンチローラー!!謎の汚れ!!傷ついたキャプスタン!!サビて粉を吹いたネジ!!煤こけたようにくすんだ磁気ヘッド!!

全体的にW-800Rよりも状態が悪いです。

現在はベルトを交換し終えてコンポに組みつけたところ。ピンチローラーをどう調達するか悩んでいて、まだ修理が終わっていません。

直ったらまた記事にしますね。

 

docomo ACアダプタ07 分解

家族が使っていた、docomoのACアダプタ07が動作不安定になった。スマホを繋いでも、「充電されないことがある」「充電が一瞬途切れることがある」「充電が途中で停止していることがある」というのが主な症状で、半年以上前からこれらの傾向が現れている。ただ、正常に充電できる時もあり、これらの症状はきまぐれに出現するというのがなんとも悩ましい。

ケーブルの断線が第一に疑われるところであるが、ケーブルを動かしても症状の再現性にきわめて乏しい。となると、内部に使われているコンデンサが劣化しているのではないかとアタリをつけた。

主な定格はざっとこんな感じ。

  • 入力: AC100V - 240V 50/60Hz
  • 出力: DC5V 3A / DC7V 3A / DC9V 3A / DC12V 2.25A (27W相当)
  • 製造元: ミツミ電機

対応規格はUSB PDのみの模様。USB2.0の差動データ線は結線されていないので、Quick Chargeなどの充電規格には対応していない。

USB PDではあまり標準的には使われないはずの、7Vの定電圧出力に対応しているのが不思議。私が持っているXperia 1 II (XQ-AT42)は7Vで受電できた。

基板(表面)

基板(裏面)

分解した基板は上の写真の通り。主にリード部品が表面に、表面実装部品が裏面に実装されている。

回路の構成は典型的なフライバック降圧コンバータになっている。1次側と2次側はトランスやフォトカプラ、Yコンデンサを介しており、基板上にも離隔が確保されている。ありきたりといえばありきたりだけど、しっかりした造り。

1次側の回路は、AC入力と直列にヒューズとNTCサーミスタが挿入されていて、その先に0.047uFのXコンデンサが並列接続されている。ダイオードブリッジを通って直列にチョークコイルが入り、その先に400V17uFの平滑コンデンサが2並列に繋がっているという流れ。その先も追いたかったけど回路を追い切れず断念。

メインの制御ICは、Richtek製のRT7786LCが使われている。このICで、フライバック回路用のMOSFETのゲートを駆動したり、電圧などを制御してるはず。

ICはもう一個、2次側にUSB PDコントローラが使われているはず。USBケーブル根元にIC201とナンバリングされたWQFN24のICが実装されていて、「6Z=5B 740FB AD1」とマーキングがあるが、該当するICは見当たらず。Richtekのサイトに、プロダクトコード「6Z=」が該当するICが掲載されていたものの、PDのプロトコルを喋るものではなく、違ってそう。

さて、肝心のコンデンサーだけど生きてそうなんだよね。オシロを持っていないので電圧波形までは観測できないのだけど、テスターを当てて電圧を見た感じでは、平滑機能は生きていそう。ダメもとで交換してもいいだろうなぁとは思ってるけど、見た目にも異常がないしなぁ。「電気的には壊れていない」という可能性も捨てきれない。

一応、電解コンデンサをリストアップするとこんな感じ。日本メーカーのものがほとんど。

  • C101 400V 6.8uF
  • C102 400V 17uF
  • C104 100V 6.8uF
  • C111 400V 17uF
  • C204 16V 820uF (アルミ固体電解コンデンサ)

ところで、私のXperia 1 IIに繋いで出力電圧などをテスターで見ていたところ、ときどきPDのネゴシエーションが外れてリセットされているのではないか?という挙動を感じた。PDのプロトコルアナライザでも用意してスニファしたほうがトラブル要因を探れるかもしれない。

加湿ができるエアコンについて語る。【空調談義シリーズ#2】

空調技術を愛してやまない空調マニアの筆者が、空調について談義する記事を連載する「空調談義シリーズ」。前回はエアコンの除湿について、湿り空気線図を交えながらかっちりしたテイストでお話を進めました。今回から筆者の主観多めのゆる~い記事が続く予定です。

今回は「加湿ができるルームエアコン*1」のお話です。加湿ができるエアコンは、湿度を高めた外気を取り込む仕組みを備えており、同時に換気機能を備えているものがほとんどです。

そもそも需要はあるのか?便利なものなのか?

ダイキン工業の「うるるとさらら」ブランドから出発した、加湿のできるエアコン。外気をデシカント素子で処理して、湿度の高い温風をつくって室内に取り込む仕組みです。今ではパナソニックも同様のルームエアコンをラインナップに加えたほか、ダイキンは業務用エアコンでも「うるる加湿」機能をエアコンに追加できる加湿ユニットを展開しています。

メーカーとしては、ルームエアコンを高機能化できることから「良いものが欲しい」という高級商品への需要に一層応えられます。現実として、20年以上「うるるとさらら」シリーズが続いてきた一番の理由がココだと思います。

では、消費者に需要はあるのか?本当に「加湿」を必要とする消費者に届いているのか?

冬場の加湿は、本来であれば専用の加湿器を使うほうが経済的で、安定した加湿能力も期待できます。ただし、設置には床面積を占有します。

日本の住宅は狭小ですから、加湿器の置き場所がなかなか確保できないという人もいるでしょう。ペットや小さなお子さんがいて、床に家電製品を置きづらいという人もいるでしょう。そうした方々の心をうまく掴めば「場所を取らずに加湿ができるエアコン」として受け入れられるようには思います。はっきり言って「加湿できるエアコン」の一番の強みはここだと思うんですよねぇ。

再びメーカー目線に戻ると、「温度だけではなく湿度もちゃんと調えてほしい」というのが開発者からのメッセージだと思います*2
加湿をオンオフするという操作をエアコンに組み込み、さらに給水という手間を省いてあげた。これによって開発者は、「帰ってきて暖房を付ける」というライフスタイルの中に、自然に「加湿する」という行動を取り入れさせようとした。これも、「加湿できるエアコン」が創出した商品価値だと思います。

一方で、購入者の口コミによる不満を見てみると「加湿されにくい」「音が大きい」といった不満が目立ちます。こうしたネガが積もり積もると、加湿機能を切ってエアコンを使うようになってしまいます。エアコンに加湿機能を備えたことによる商品価値は誰にも享受されなくなってしまいます。
しかも、このようなユーザーが専用の加湿器を使うようになるでしょうか?加湿器を設置したり、給水やお手入れといったメンテナンスを面倒に思い、冬場に加湿をしなくなるユーザーも多いはず。

20年以上の歴史がありながらも、商品ジャンルとしては始まったばかりと言ってもよいであろう「加湿ができるエアコン」。使ってもらってナンボ、長く使えてナンボの機能ですから、ネガを解消する試みは今後も必要かなあと思います。

周辺技術調査 - 技術的な妥当性は? -

加湿機能への図解を図1に示します。仕掛けとしては「デシカントローター」で捕集した外気の水分を「再生ヒーター」で飛ばして、水蒸気を多く含んだ空気をブロワーファンで室内に送り込もうというのが、エアコンの加湿機能の大まかな概略。

図1にあるような加湿・換気ユニットは室外機と一体化されており、室内とは1本のホースで繋がっています。このほか、従来のエアコンが備えている室外機としての機能や、配管類は引き続き搭載されます*3。したがって、加湿のできない従来のエアコンと比べると室外機は大型化しますし、施工に必要な配管類も1本余計に増えることになります。

図1: ルームエアコンの加湿機能

デシカント素子を使った調湿機構はあらゆる製品で見られ、その中には家庭用除湿機が含まれます。この事を知っている施工業者の中には、技術的な妥当性を疑う姿勢の方もいるみたいです。

加湿ができるルームエアコンは、技術的には「デシカント空調機」と「外気処理エアコン」の2つの技術と共通点があります。こうした周辺技術から発展したルームエアコンであると考えると、全く突拍子もない発想から生まれた技術、というわけではないように考えられます。

デシカント空調機

室内の空気(還気)や外気をデシカントローターに通し、湿度を整えてから給気する空調機のことで、セントラル空調に採用されることがあります。除湿を行うものが一般的ですが、冬場に無給水加湿ができるものが既に実用化されています。

デシカントローターによって無給水加湿を行うという点で、加湿ができるエアコンはデシカント空調機と似ています。

外気処理エアコン

外気処理エアコンは、外気を加熱または冷却して室内に取り込むエアコンのことです。通常のエアコンは外気を処理できないため、換気扇を別に設置します。換気量によってはエアコンで処理できないほどの外気負荷となるおそれがあるため、空気質の維持と大量の換気を両立する必要がある場合は、外気処理エアコンを設置します。

加湿ができるエアコンには、外気を取り込む機構がついています。取り込んだ外気が熱交換器を通るため、温度を整えながら換気できます。パナソニックのLXシリーズ、ダイキンのRシリーズの両方が、換気機能をアピールポイントの一つにしています。

外気処理エアコンは外気を処理することだけを担うのに対し、加湿ができるエアコンは既存のエアコンに換気機能を付加したものであるという違いはありますが、一応この機構は外気処理エアコンと似ているともいえます。

「加湿ができるエアコン」にはできないこと

加湿ができるエアコンは、一般のルームエアコンにはできない「加湿」「換気」という2つの機能を備えています。一見して、万能なエアコンであるかのように見えますが、実はできないこともあります。

「廃熱回収」ができない

空調を行っている建物で換気を行うと、空調された室内空気を外に捨てるかわりに、空調されていない不快な外気を室内に導入することになります。換気によるエネルギーの浪費は、光熱費に大きく影響します。

エネルギー消費を抑えるために、熱交換素子に室内の空気(還気)と外気を同時に通し*4、顕熱と潜熱を交換する仕組みの換気装置が実用化されています。これを全熱交換器といい、図2に概略図を示します。季節を問わず、外気を室内の温度・湿度に近づけてから給気できるうえ、エネルギーをほとんど消費せずに熱交換できるため、空調で消費するエネルギーを節減できます。

図2: 全熱交換器の概略図

全熱交換器には、最低でも2本のダクトが必要になります。全熱交換器を室内に設置する場合はOAとEAのダクトが必要になりますし、室外に設置するにはRAとSAのダクトが必要です。

加湿ができるエアコンにおいて、現状これ以上ダクトを増やすことは難しいと思います。後で述べますが、施工業者の負担が増え、設置条件も難しくなることが理由です。そもそもルームエアコンという小型・簡便な空調機にて、できるだけ多くの機能を実現しようとしている時点で、機能・性能上のトレードオフが発生することは避けられません。
そんなわけで、万能に見える「加湿ができるエアコン」でも、廃熱回収を伴う換気はできないということを述べておきます。

筆者としては、やっぱり換気には多くのエネルギー消費が伴うものなので、熱交換によってエネルギー消費を抑えられないのはもったいないなと思ってしまいますね。

「加湿ができるエアコン」以外の換気プランを考える

「加湿ができるエアコン」の換気機能は、あくまでも数多く存在する換気方法の一つにすぎません。私たち一般の居住者は換気について深く考える機会は少ないので、「換気ができるエアコン」とカタログやWebサイトで大々的にPRされると、あたかもとても良いものであると信じてしまいやすいですが、換気について真面目に考える場合、他の換気プランを検討してもよいと思います。

住宅において、先に述べたような全熱交換を検討する場合、壁に取り付けられる小型の全熱交換器が候補に挙がります。三菱電機の「J-ファンロスナイミニ」シリーズなどが有力でしょうか。あるいは、換気量に不安・不満を感じている場合などは、熱交換を行わない通常のパイプファンなどが安価で設置しやすいと思います。この場合、エアコンには換気を任せず、冷暖房に専念させてよいでしょう。

換気プランは、お部屋の容積や用途、在室人数、気密性などによって変わります。また、そもそも2003年の建築基準法改正以降に建てられた住宅は、1室あたり毎時0.5回の換気回数を満足する換気設備を備えている可能性が高いです。既存の換気状況に不満を感じている場合は、「何が不満であり、どのように改善できるのか」専門業者とよく相談するとよいと思います。

施工業者泣かせのエアコン?

加湿ができるエアコンは、室外機・室内機ともに大型であるほか、施工の手間もかかることから、施工業者に好まれないエアコンであるようです。筆者は施工業者とは無関係な立場ですので、あくまでこの項は参考程度にお読みください。

室外機・室内機がデカい

加湿ができるエアコンは、そもそも数あるルームエアコンの中でも最上位グレードに位置付けられています。ルームエアコンは上位グレードになればなるほど、消費電力を抑えたり冷暖房能力を底上げしたり、さらには搭載機能が増えて、室外機も室内機も大型になる傾向があります。

そんな中で、加湿ができるエアコンは、室外機に加湿のためのユニットを追加搭載しています。重く大きくなるのも当然です。

ダイキンの2024年モデル同士で、S224ATRS-W(公称2.2kW 加湿・換気機能付き)と、S224ATAS-W(公称2.2kW 加湿・換気機能無しの上位モデル)を比較してみると、室外機の質量は前者が44kg。後者でも38kgあります。両者の違いは加湿・換気機能の有無だけですが、それなのに6kgも質量が増えています。寸法についても高さ方向が前者は713mm、後者は595mmと、12cmほど増えていることになり、運び込みが大変になるものと思います。

また、室内機の質量は能力によらず変わりませんが、16kgもあり、一人で高所に引っかけて施工するには重いものです。

今回比較した公称2.2kWのモデルは、エアコンの能力としては最も低い「おもに6畳用」のエアコンになります。さらに能力が高いエアコンもラインナップに存在していて、この場合は質量・寸法もさらに増加します。シリーズで最も能力の大きい、公称9.0kWのモデルになると、室外機の質量が59kg、梱包状態で66kgにも達します。

配管類を通すのが大変

加湿ができるエアコンは、配管類を通すのも一般のエアコンと比べると大変になります。通常のエアコンの場合、室内機から室外へ向かう配管類には「液冷媒管」「ガス冷媒管」「ドレンホース」「連絡電線」の4種類があります。これに加えて、加湿ができるエアコンでは、加湿・換気ホースを通す必要があります。

重い室内機を抱え、配管類を貫通穴に通しながら室内機を引っ掛ける作業となるため、配管類を通しにくくなると施工者への負担が増加します。室内機の設置後も、室内機裏側の余剰スペースに配管類をきれいに納める必要があり、収まりが悪いと施主に満足されません。

物件によっては貫通穴の径が十分ではなかったり、既設の化粧カバーを再利用することを希望する施主がいるなど、さまざまな条件が合わさり施工難易度が上がることがあるようです。隠蔽配管を採用している建物では、施工を断る状況もあるようです。

ちょっとうるさい?

加湿ができるエアコンは、細長い加湿・換気ホースを通じて外気を室内機に送り込むしくみです。このしくみに起因してか、加湿・換気運転中は騒音が発生し、居室で使用する場合は耳障りとなる場合があるようです。

また、居室の広さに対して大きすぎる能力のモデルを購入する方もいるためか、加湿・換気運転とは無関係に、そもそも風量が大きすぎること、騒音が大きすぎることを指摘する意見もときおり見られます。この話はまた別の回で詳しく取り上げることにしましょう。

期待していること

ここまで、加湿ができるエアコンの現状について語ってきましたが、今後の進化の方向性について、個人的に期待していることについても触れてみます。

あくまで素人の意見にはなりますが、「ヒートポンプの熱を利用した加湿」を実現してほしいなというのが私の期待。ルームエアコンの無給水加湿においては、再生熱源にジュール熱を使っているのが現状です。容易に高温風を得られますが、エネルギー効率が悪く光熱費に大きく響いてしまうのが難点です。

ヒートポンプを使った無給水加湿はデシカント空調機において実現例があるようです。ルームエアコンでもこれを実現できれば省エネルギーに貢献できます。冷媒管の取り回しや、低温で再生できるデシカント素子、十分な加湿量の確保、小型軽量化など課題は多いと思いますし、技術者の間では既に取り組み始めているテーマかもしれませんが、実現できるといいなと思っています。

むすび

加湿ができるエアコンについて、良いところや悪いところ、さらには周辺技術といったマニアックな点も含めてゆるく語ってみました。お詳しい方から見れば少々ツッコミどころ多めの記事になったかもしれませんが、ご笑覧いただければ幸いです。

実は筆者は、マニアではありながらこうしたエアコンを所有していません。ぜひ一度使ってみたいところですが、予算の関係で念願叶わず、といったところです。

いまのところ、加湿ができるエアコンは機能を多く詰め込んでしまったがゆえに、ユーザーからも施工業者からも不満な声が散見されるエアコンとなっているのが気がかりです。誰からも愛されるエアコンに向かって進化していってほしいなと思っています。

*1:主に住宅で使うことを想定した個別空調用のエアコン。住宅用であっても全館空調を前提とした装置や、業務用の空調機を除きます

*2:筆者なりの解釈です

*3:図1では省略して描いています

*4:還気と外気は混ざらないようになっています

エアコンはどのように除湿しているのか?【空調談義シリーズ#1】

今回から、空調技術を愛してやまない空調マニアの筆者が、空調について談義する記事を連載していきます。

初回のテーマは「除湿」について。エアコンには、空間を冷暖房する機能のほかに、空間の湿度を下げる機能があるのが普通です。除湿に関する記事や解説はWeb上に多くみられますが、この記事では「わかりやすさの追求」とは一線を画し、「一歩踏み込んだ考察」をモットーとして、除湿について考えていきます。

エアコンが湿度を下げる原理「冷却除湿」とは

エアコンは、加熱・または冷却された熱交換器に室内の風を通すことで冷暖房を行う機械です。暖房の場合は加湿ができませんが、冷房の場合は単純な冷却だけではなく、除湿を行うことも可能です。

湿り空気線図上でとらえる除湿

空気を冷やすことによって除湿が行えることは、湿り空気線図を用いて説明できます。

図1:湿り空気線図による除湿の説明

図1は、25℃50%RH(A点)の空気をおよそ9℃(B点)まで冷却したときの説明です。青線(約14℃)までの冷却では、除湿を伴わない冷却が起きています。湿り空気線図において、冷却は左側への水平移動として表されます。
青線で示した過程で、この湿り空気は相対湿度100%に達しています。言い換えると、露点まで冷却した状態です。空気がこれ以上水蒸気を抱えきれない状態ですから、さらに冷却を続けると空気は結露します。

青線からさらに冷却を続けた過程を紫線で示しました。この過程を除湿冷却と呼び、空気から水分が奪われる過程です。相対湿度100%からあふれた水蒸気は空調機内部で結露し、ドレン水として回収されます。したがって、吹き出す空気はB点にプロットされることになります。緑線で示した部分において、絶対湿度の低下が起きていることになります。

このような過程を経て冷却した空気は室内へと吹き出すことになりますが、熱の流入による加熱や、室内の空気との混和などを受けて温度や湿度が変化することになります。

さて、湿り空気線図をみることで、「空調機は熱だけを奪った」のにもかかわらず、湿り空気においては温度だけではなく水蒸気量が変化していることが読み取れます。空調分野においては、水蒸気量の変化も熱の移動としてとらえます。湿り空気の温度変化に要する熱を顕熱、水蒸気量の増減に要する熱を潜熱ととらえ、さらに双方の合計を全熱(エンタルピ)と呼んでいます。湿り空気線図は1kgの乾き空気を基準とした比率としてプロットしてありますから、エンタルピについても1kgの乾き空気を基準とした「比エンタルピ」となっていることに注意が必要です。

暖房の場合についても触れておくと、青線とは反対に、右水平方向へ空気線図上を点が移動することになります*1。加湿を伴わない加熱が起きていることになり、絶対湿度は変わりません。ただし温度上昇に伴って飽和水蒸気量が上昇することから、相対湿度が低下することになります。

相対湿度を下げるために

私たち人間にとっての「快」「不快」を大きく左右するのは、温度と相対湿度のバランスです。人は発汗によって体温を下げる機能をもっていますが、相対湿度が上がれば汗が蒸発しにくくなり、蒸し暑さを感じるようになります。皮膚がべたつくことによっても不快に感じられます。また、いくら相対湿度が適当な値であっても、温度が下がりすぎれば肌寒く感じられ、やはり不快に感じられます。

さて、私たちの生活に根差した湿度の基準は「相対湿度」なわけですから、エアコンを用いた除湿においても、相対湿度を下げる運転が望まれます。ここでも、空気線図上で少し考えてみることにしましょう。

図2:湿り空気線図で示す除湿とレヒート

図2では、A点に現在の室内空気(28℃65%RH)を、B点に目標とする室内空気(25℃50%RH)をプロットしました。A点とB点を結ぶ補助線をグレーで描きました。このグレーの線上に調和空気が来れば、室内空気と調和空気の混和によって室内空気をB点付近にコントロールできるわけです。

使用する空調機は9℃まで冷却できるものと仮定して、空調機から吹き出される空気をC点にプロットしました。A点からC点まで結ぶ矢印の色づかいは図1と同様です。

ここまで条件が定まると、C点とグレーの補助線を結ぶ水平線、および交点が一意に定まります。図2においてそれぞれ、赤い右矢印でプロットした線、D点が当てはまります。

湿り空気線図上において、右へ水平に移動する動きは「加熱」にあたるわけですから、C点まで冷やした空気をD点まで再び加熱する(レヒートする)ことによってはじめて、A点では65%RHだった湿度を、B点の50%RHまで下げられることがわかります。

このレヒートの過程を空調機内部で行えるものもありますが、ビル用の大型空調機や、家庭用でも上位シリーズのルームエアコンなどに限られています。

普及モデルのルームエアコンや業務用のパッケージエアコン、ビルマルチエアコン、ファンコイルユニットといったほとんどのエアコンには、冷却と加熱を同時に行う機能はついていません。その代わりに、外気の暑さや日射によって建物内部に貫流する熱を利用して、成り行きで空気が熱されることにより、レヒートと同等の役割を果たしているのです。

寒すぎると除湿ができない?

ほとんどのエアコンについている除湿機能は、装置内では冷却だけを行って絶対湿度を下げ、吹き出した空気が建物内部に伝わる熱によって熱せられることを利用し、相対湿度を下げています。

エアコンによる除湿が難しい状況は概ね以下のように場合分けできます。

  1. 室外からの熱の流入が小さい、梅雨や夜間の除湿
  2. 外気の流入が多すぎる場合の除湿
  3. お部屋の熱負荷に対してエアコンの能力が過大である場合の除湿

1の状況は、建物に伝わる熱がとても少ない状況です。絶対湿度を下げた「低温・高湿」の吹き出し空気を、建物に伝わる熱によって十分に熱することができません。室温が設定温度を下回りやすく、エアコンはサーモオフしやすい状況です。
項目名で示したような「寒すぎると除湿できない」状況はこれに当てはまります。

2の状況は、顕熱負荷(熱の流入)に対して潜熱負荷(エアコンが処理すべき水蒸気量)の割合が高い状態です。換気量が多すぎる場合、外が蒸し蒸ししている場合、人が多い室内や、調理などによって水蒸気が盛んに発生している場合などが当てはまります。エアコンが運転しているにもかかわらず、湿度がじわじわと上昇する状況が多いです。

3の状況は、冷やし始めは順調に温度・湿度ともに下がっていったのに、設定温度に到達してから湿度が下がらなくなるという症状が目立ちます。エアコンの能力が過大であると、サーモオフに入りやすく、この間に除湿ができなくなります。蒸し暑いからといって風量を上げすぎると、余計に湿度が上がります。

冷房と除湿の違いについて

エアコンが除湿を行う原理について前項で述べました。空気を露点以下まで冷やすことで、空気を結露させ、さらに結露水を室外に排水することで除湿を行っています。

勘の良い方ならお気づきでしょうが、除湿の原理は冷房とまったく変わりありません。このことをご存知の方の中には、冷房と除湿(ドライ)の違いが分からない、どう使い分ければよいか分からない、と悩まれる方もいるでしょう。

この項では、搭載機種が幅広い「再熱を使わない除湿」について説明します。

除湿は運転制御を変えているだけ?

除湿運転では、冷房と比べて運転制御が異なります。主に次のような特徴があります。

  1. 圧縮機の回転数を上げ、風量を低減(空気をより冷やして除湿効果UP)
  2. 運転と停止を繰り返して温度をコントロール(冷えすぎの防止)
  3. 圧縮機の停止中に送風を抑える(機内の湿気を部屋に戻さないため)

1については、冷却除湿の原理をもとに、圧縮機の回転数を上げて室内に吹き出す空気の温度を下げることで、より多くの水分を空気から奪うように制御しています。さらに、風量を抑えることで、吹き出し温度を低く保つうえ、処理する顕熱量を抑えます。潜熱能力を上げた運転、といえます。
空気線図上でみると、図1で示した青色の矢印は顕熱だけを奪う領域ですが、紫色の矢印は顕熱に加えて潜熱を奪う領域です。青色の領域に比べて紫色の領域が伸びれば伸びるほど、潜熱能力は大であるといえます。

2については、除湿運転においては圧縮機の回転数制御範囲が狭まるため、発停を繰り返して冷えすぎを防いでいます。
冷房運転時は、お部屋の熱負荷に合わせて幅広く圧縮機の回転数を変化させ、熱負荷に追従した冷房運転を行っています。発停が少ない運転は省エネルギーにもつながります。ですが、除湿運転では吹き出し温度を低く保つ必要があり、圧縮機の回転数をあまり落としすぎることはできません。自ずと、冷えすぎたら圧縮機を止め、再びお部屋が暖まったら圧縮機を運転する、という運転サイクルが成り立ちます。

3については、「湿度戻り」を抑制する効果があります。
エアコンは、圧縮機の制御範囲を超えて室温が低下したときに、圧縮機を停止して室温を維持する「サーモオフ」とよばれる制御を行います。冷房運転においては、サーモオフ時も送風を継続します。これでは、せっかくお部屋から取り除けたエアコン内部の水分をお部屋に再び戻してしまいます。
除湿運転時は、サーモオフ時に室内機の風量を微風にしたり、あるいは完全に送風を止めてしまうことで、湿度戻りを防いでいるのです。

除湿が有効な状況

除湿(ドライ)は、以下の2点を満たす場合に非常に有効な運転モードです。

  • 室温がそれほど高すぎない
  • 室温に比べて湿度が下がりにくい

暑い室内を一気に冷やすには、運転制御範囲の広い冷房が適しています。風量も冷房のほうが大きいことから、冷えた空気を室内に行き渡らせることも冷房のほうが得意です。

この条件から外れる場合は、冷房では不快になる可能性が出てきます。特に室温に比べて湿度が高い場合、冷房のままでは湿度がなかなか下がらない場合があります。その場合は除湿運転をおすすめします。

ただし、除湿運転は吹き出し温度が下がることから、風が直接当たる場合は肌寒く感じられることがあります。

むすび

日本の夏は高温多湿であり、「蒸し暑い」と形容されます。蒸し暑い夏を乗り切るためにはエアコンは欠かせませんが、快適な空気環境を実現するのは難しいのが実情です。

エアコンを付けても蒸し暑い、風量をどんなに上げても暑い…。
エアコンを付けたら涼しくなったけど、ジメジメして肌がべとつく…。

多くの方は、室温だけを意識してエアコンを使うと思いますが、蒸し暑さや肌寒さを抑えた快適な空調の鍵を握るのが「湿度」。

エアコンひとつだけで、温度と湿度の両方を快適に保つのは難しいですが、湿度を意識していただき、一人でも多くの方に少しでも快適な夏を過ごしてほしいと思います。

出典

湿り空気線図はウィキメディアコモンズよりパブリックドメインのものを使用しています。以下に出典を示します。

File:PsychrometricChart-SeaLevel-SI-jpn.jpg - Wikimedia Commons

*1:加湿機能を搭載したエアコンや空調機の場合は除きます

新紙幣ゲット

2024年7月3日に新紙幣が発行開始されて2週間ほど経った。

発行当日は、新紙幣への両替を求める客で銀行の窓口もごった返していたそうだけど、今なら空いているだろうなぁと思って、7/17に福岡銀行で新紙幣を入手してきた。

お昼12時台後半に本店営業部に行ったのだけど、来店から20分ほどで両替完了。両替用紙に金種と金額、氏名住所などを書いたら窓口に呼ばれて、お金を引き換えるという流れ。両替客で混んでいる印象は全くなかった。

1000円札1枚両替するためだけに窓口まで押しかけて、ちょっと気が引ける気持ち。

新1000円札(表)

新1000円札(裏)

個人的な話だけど、紙幣の図柄とか透かしなんかを眺めるのが昔から好きで、新紙幣はずっと前から気になっていた。今回入手出来てもうほっぺたが零れ落ちるほど嬉しい*1。賛否両論ある新紙幣のデザインだけど、機能性が高く洗練された見た目で、私はとても素敵だと思っている。悪いことを言ってしまうと、肖像画は旧紙幣の三名のほうが端麗だと思うけど、好みの問題なのか愛着の問題なのか。

せっかく入手しといてなんだけど、ピン札を貰うと使わずに記念に取っておきたくなってしまう。お金は流通させてこそナンボだけど、今回の1枚は当分ヘソクリにします。

まだ5000円札、1万円札は入手していないので、そのうち、また年内にでも。

余談だけど、天神ビジネスセンターの西銀ATMで7/18に3000円下ろした時は、全部旧紙幣で出てきた。今のところ新紙幣と旧紙幣が混在して出金されるそうだけど、まだまだ旧紙幣のほうが出てくる確率が高いのかなぁ。

*1:あ、紙幣が好きといっても、別に金の亡者って訳じゃないです(笑)

ソニーオプティアーク BD-5740L スリムBDドライブ 修理(?)

父が使っていた一体型デスクトップPC(富士通FH77/DD)から取り外したもの。
2011年にPCを新品で購入、CPUファン故障に伴い2019年ごろ引退。
使用しなくなってから5年くらい放置していた。

現役で使用していた時期から、ディスクが筐体にこすれて正常にスピンアップしないという症状が発生。その頃父は、地域のクラブ活動の仕事や、カーステレオで掛けるCDをダビングするとかで、CD-RやDVD-Rによくデータを焼いていた。
ドライブの故障に父が怒って「スリムドライブはこれだからダメだ、ハーフハイトのドライブじゃなきゃいかん」と言い出したので、以前ブログに上げた東芝SD-R5002を外付け化して使わせてたのを思い出す。ケースに収めずにドライブの金属筐体をむき出しで使ってたので、サビなのかなんなのか、筐体がくすんだ見た目になってしまった(笑)。

さて、このドライブの故障原因だけど、ディスクトレイが歪んだことによって、トレイの奥側とディスクの最外周下面がこすれてしまい、摩擦抵抗によってスピンアップが妨げられることがわかった。
修理方法は荒療治で、トレイを引き出してグネグネ曲げてみたり、歪みと逆方向にトレイを曲げてみたりするうちに、なんとかディスクとトレイが接触しない程度のクリアランスが確保できた。
修理後も若干曲がってる気がするが、反っていないディスクなら常に正常回転する程度にまで回復。

というか、これは修理と言って良いのだろうか?(笑)映らないテレビを叩いたら直った、と言っているのと同レベルだよね。

故障原因は不明だけど、私の父のことだから扱いが雑だったんじゃないかという気もするし、元々造りの質感があまり良くないドライブなのでトレイが曲がりやすかったというのもあるかもしれない。物は大事に使おう。大事に使っても壊れる物はしゃーないけど。

さて修理後のBD-5740Lの調子だけど、BDは読み取りも書き込みも絶好調。DVDとCDは読み取りだけ試したけど問題なし。BDXLにもスペック上は対応しているし、いいものをサルベージできたと思う。

国際式の天気記号についてのはなし

地上天気図の書き方には、理科でも習う日本式の記号と、国際的に使われている国際式の記号があります。それぞれ、観測地点における天気や風向、風速を表すほか、広域的な気圧配置や前線の存在も表したりします。独自の天気記号をもつ日本でも、気象庁アジア太平洋域実況天気図などにおいて国際式の天気記号が使われています。

この、国際式の天気記号についてですが、Webで軽く調べた限りではどの機関が何をどれだけ定義しているのか、国際標準がちゃんと定まっているのか、よくわかりませんでした。

たとえば気象庁国際式の天気記号と記入形式としてまとめているものには、日本語版Wikipedia「地上天気図」には載っていない、自動観測所用の天気記号なるものが掲載されているし、Googleで「weather station model symbols」なんて検索してみても、代表的な記号だけを抜き出して説明しているサイトが多く、天気記号の全貌を掴むことが難しかったです。

世界気象機関(WMO)が統一基準を定めているらしいので、WMOのサイトを1時間ほどかけて漁ってみたところ、それらしいドキュメントを見つけました。これかー。PDFのAttachment IVに図記号などが載ってます。

Basic Documents No. 2 Manual on Codes, Volume I.1 – International Codes Annex II to the WMO Technical Regulations Part A – Alphanumeric Codes

このドキュメントは、気象観測をしたり、その情報を交換するためのコード(電文;気象通報式と呼ばれる)について定めたものです。気象通報式で表された観測地点の気象を図示する方法として、"Graphical Representation of Data, Analyses and Forecasts" がAttachment IV中で定められており、日本においてはこれを国際式の天気記号と呼んでいるようです。

目的に応じて、非常に多くの情報を表現可能ですが、すべての情報を図示するのは煩雑なので、任意の情報を省略可能となっています。また、国や地域ごとによって表現方法や単位をアレンジしていることがあります。たとえばアメリカ合衆国では、温度に華氏を使ったり距離にマイルを使う例が頻繁に見られます。ただ、一応はWMOが定めるコード表に従った描き方が世界標準なのかな。

天気図の描き方に国際的な統一基準があるのはいいことで、たとえば我々が韓国気象庁の実況天気図を見たとしても、国際天気図の見方を知っていれば難なく理解可能です。